読んだよw
4日で全6冊を読んだので、けっこう疲れました。
まあ宮部みゆきっぽかったです。
竹さんは、図書館でハードカバーを借りて読んで、今度文庫も買おうという話なのかな?
さて、だいたいおもしろかったんですが、意外だったのは、柏木弟が、予想を遙かに上回る中2病っぷりだったことです。もうちょっと大人っぽい子なのかなと思っていたので、まさかここまでとは予想できませんでした。まあ、実際に中2なので、中2病だからといって非難されるいわれはないわけですが。
彼はなにやら人生の意味とか考えちゃって、で、「曰く不可解」みたいな感じで自殺しちゃうんですが、これも本気でどうこういうよりは、子供のことだし、気分だけの問題ですね。
現実的な話をすると、神原君は、まず柏木弟が「死んじゃおっかなー」とか言って、ハードボイルドな遺書を渡してきた時点で、誰か大人に言うべきだったと思います。自分の親か、塾の先生か、柏木君の親に、「死にたいって言ってますよ」と教えないといけません。(神原君は、柏木君がある程度本気だと思ってたわけですから。)
その時点で大人に言えなかったとしても、クリスマスイブの夜に、学校に来いと言われた時点で、断固として断るべきでしたね。断って、やっぱり大人に言う。
屋上で柏木君が飛び降りるふりとかしてるのに対して、「やめなよ!」とか、「勝手にしろ!」とか、神原君がちやほやすると、盛り上がっちゃって、ほんとに飛び降りちゃう危険が大きいです。
ギャラリーがいない方が死ににくいと思います。
最悪、夜中に学校の屋上に行くにしても、やっぱり大人と一緒に行くか、主事の岩崎さんを呼ぶとかすべきでした。神原君は子供で、しかも柏木君より劣位にあるので、ひとりで行ってもどうしようもないですね。
柏木君は、生きる意味がわからないとかなんとか言って、まあいろいろ突っ込みどころはありますが、一言で言うと、生きる意味を誰かに教えてもらえるものと想定してる時点で、それが分からないのは当たり前ですね。
意味といっても、実存的な話なわけですから、自分にとってのsignificanceのことです。で、そんなのは、自分で決めなきゃいけない問題で、他の人からどうこういわれるものではありません。人によって違うわけですから。
宮部さんは、女の人らしい世界観が特徴で、そこが魅力でもあり、物足りないところでもあるわけですが、そういう世界なので下品な話とかはあまり出てこないです。けど、柏木君とかの悩みは、普通の大人の、特に男の人からすると、「童貞が何言ってんだか」というだけのことになってしまうと思います。
もうちょっと大人になってから、女の人ともお付き合いして、おいしいものとかもいろいろ食べてみて、できれば子供でも作ってみて、可愛い猫でも飼ってみて、もちろん仕事して、お給料もらって、税金払って。
意味があるとかないとかは、一人前になってから考えるべき問題で、君にはまだそんな事を考える資格はないという話ですね。
(といっても、いわゆる「哲学的」問題を考えることに意味がないといってるわけではありません。むしろ逆で、わたしは、「哲学・思想研究科」という恥ずかしい名前のところに、借金して10年もいたことがあるくらいなので、中2病的な問題については、ほとんどプロフェッショナルなのです。やるならちゃんとやれよというわけですねw
実際のところ、子供は大人より「実存的」です。自分が実存的であると認識できないほどに実存的なんですね。だから、実存について、頭で考えたりするのは、その人があるていど実存的でなくなってる証拠だともいえます。で、柏木君についてですが、彼は子供的に無自覚に実存的ではなくなってしまったのかもしれませんが、だからといって、頭で実存について考えられるほど経験を積んでいるわけではありません。だから、まだ早いということですね。)
柏木君はまだ子供で、両親に食べさせてもらってて、ちょっとどうかと思うくらいちやほやされてて、彼のお兄ちゃんが言ってるように、柏木君自身が両親にとっての「生きる意味」だったわけです。これはつまり、柏木君の両親は、柏木君を愛してたということです。まあ、客観的にみると、柏木君のお父さんは、大人にしては夢見がちすぎるきらいがあって、柏木君をスポイルしてると思いますが。
それはともかく、「生きる意味」というのは、抽象的な話としてではなくて具体的にいうなら、すごく好きなものとか、好きな人とか、子供とか、猫とか、おいしいものとか、仕事とか、趣味とか、何でもいいですけど、自分にとってすごく重要な対象として規定されるものだと思います。ですから、親に愛されてるだけとかの受動的なあり方をしてたらだめで、これは美奈絵さんと樹里ちゃんにもいえることですが、受動的なだけでは、生きる意味を感じることはできません。(樹里ちゃんなんかは、最後まで、「松子はわたしのたった一人の友達だった」くらいしか言わないので、この子ほんとにわかってんの?と思ってしまいますね。まあ、「松子がいなくなってさびしい」というのは、松子が好きだったってことのようでもありますが、「(自分を愛してくれる)松子がいなくてさびしい」という意味かもしれないと思ってしまいます。)
柏木君はまだ子供で、親の世界の中に対象として存在するだけだったので、自分にとっての生きる意味(自分にとっての対象)がないのはしょうがありません。ただ、それだったら、親の世界から抜け出して自分の世界を作らないといけないわけですね。いわゆる自立というやつです。
参考。星の王子様における「知ること」
野田君が、親を殺したいと思うのは、自立の象徴として、親を殺さないといけないと思ったということです。ここで問題なのは、自立ということですから、本当に殺す必要はありませんが、象徴的な親殺しは、大人になるためには、一度は必要なことです。
野田君は、自分が親の対象であるだけじゃだめで、自分が主体にならなきゃいけないとあせっていたわけですが、その点で、柏木君よりも進んでいたというか、普通の中学生でしたね。親を殺してやりたいと、一度くらい思うのは、実に普通のことというか、健全なことだと思います。実際に殺したら問題ですが。
てか、柏木君は、誰かに何とかしてもらおうという気が強くて、そのくせ、みんなバカだからだれもわかってくれないみたいな、よくわかんないひねくれたガキなので、やっぱりお父さんが悪かったんだと思います。ちょっと、甘ったれんなと。もしくは、甘えるなら甘えるで、子供らしくしろと。
お父さんも不治の中2病患者っぽいので、しょうがないのかもしれませんが。
ただ、だからこそ、柏木君がまじで死のうとしてるよと、神原君が教えてあげたなら、お父さんも目を覚ましたかもしれないと思うので、やっぱり神原君はだれか大人に言うべきでしたね。
さて、全体的に、宮部作品らしく、父性的な要素が大変少なくて、登場人物がみんなかなり女々しいです。女の子とか女の人はまあそれでもいいです。垣内美奈絵はさすがにしっかりしろよと思いましたが。
宮部好みの美少年2人は、美少年だから少々女々しくてもいいです。
問題なのは、お父さんたちと男の先生たちですね。
野田パパ、柏木パパ、三宅パパ、丹野先生、塾の先生は、子供に対して物分りが良すぎます。てか甘いです。あと、弱そうです。自分が中2病を引きずってるから、子供に対して毅然とした態度が取れないように見えます。
野田パパは、脱サラしてペンションとか。そりゃ、野田君じゃなくてもイヤですね。
柏木パパは「うちの子は特別で」とか恥ずかしげもなく言うし。
三宅パパは自称芸術家だし。
丹野先生は美術の先生なので芸術家なのはいいけど。
塾の先生も学校の先生を辞めて理想の塾をするんだとか言って、さらに、挫折したとか言って塾やめちゃうし。
で、津崎前校長は、甘いパパたちが年取ったバージョン。告発状騒動は、この人がちゃんとしなかったから問題になったわけです。嘘をついたらダメだぞっていうことくらい、はっきり教えないとそれこそダメです。
逆に、大出社長は、暴力的にすぎます。宮部さん的には、力は全部暴力なのかしらとも思います。
あと、弁護士が2人出てきますが、いい人というか、やさしい人すぎて気持ち悪いです。実際にこんな弁護士がいたら、ぜったいに裏の顔がある悪い人に違いないと思ってしまいます。岡野校長は、よくわかんないですが、いい人弁護士タイプのようです。
涼子パパは、なんだかよさげではありますが、娘が無問題のスーパーガールなので、真価を問われるような場面がないのでなんともいえません。あと、北尾先生も、わりと頼りになりそうな感じはしますが、子供達に模擬裁判をやらせるのと引き換えに辞表を用意しちゃったりするところは、意外と中2病っぽい感じもして微妙ですね。
それはともかく、やっぱり、子供がしょうもないことをしたときとかに、がつんとできるかどうかが、お父さんの一番重要な役目というか、お父さんってそれくらいしかする事ないでしょ?
子供には、絶対にわからないことというのがあります。あたりまえですが、経験が足りないので、わかりようがないことというのはあるわけです。で、口で説明してもわからないものはわからないので、ちょっとガツンとかまして、「いいからとにかく言うとおりにしろ」と言うことも時には必要です。
ですけど、この話では、そういう父性的・教育的キャラが出てこなくて、結局のところ、理解と共感が一番大事みたいな話になってるので、そこのところはかなり不満でしたね。(少なくとも樹里ちゃんは、もっとちゃんと叱ってあげないといけません。みんな甘やかしすぎです。)
これはまあ宮部作品だとだいたいそうなんですけど。
あと、やっぱ松子を殺しちゃったのはちょっとひどいと思います。宮部さんがということですが。殺す必要あったかな~?
皆さん、本読んでるんですね。
私はデザイン系の本がほとんどで眺めてるだけです。
昔はよく読んでて自分が買った本が初版だったりすると
浮かれてたりしてました。で、それは15年ぐらい前の話で
まだ学生でした。
今は図書館で借りるのも写真集とかになってしまいますね。
単行本、文庫本のコーナーはもうずっと行ってないです。
ちょっと宮部みゆきな感じになったので、クロスファイアとレベル7も読み返したりしました。
あとは、宮城谷三国志の文庫の11巻が出たので読みました。忘れてたので10巻から。とはいえもう司馬懿も死んじゃって、話はだいぶ面白くありません。
それから、北沢秋という人の翔る合戦屋というのも、その前の2冊を読んでたので、しょうがないから読みましたが、会話文で、「ござる」「ござる」というのが変で、あげくに「ござるよ」とかいうのもあって、どうにも辛かったです。
ハットリくんかよって。
そんなとこ。
写真集は、高校生のときとかによく見てましたが、最近はとんと。
逆ですねw
高校生だったので、奈良原一高とかのちょっとすかしたっぽいのが好きでした。
今見ると恥ずかしいですが。
あ、でも軍艦島のやつとかはいいですね。
あとはふつうに、土門拳とか。
地元だもので。
筑豊の子供達とかね。
熱く語りましたねぇ♪
うちは読んでから結構時間が経っているので、新鮮な感想はいえないし、
また読み返したときに、ここをまた見に来ようw
そうです、図書館で借りて読んで、また再読するのに買うのです。
図書館だと何十人(ときに何百人)も予約待ちだったりで、
じっくり読み返したりとかするには数年待たないといけないのでね^^;
好きなときにじっくり読み返したい本(作家)は、文庫で買うことにしてます♪
なんか後日談もアルっぽいですね、文庫版……
ソウイウのずるいなぁ、やめてほしいなぁと思うのですが、
作家さん的には図書館で借りずに買って読めよと思うだろうし、
売る為には何かしないとってこともあるのでしょうから仕方ないですが。
うちは、追記があるから文庫も買ってくれと、
有川浩の本を図書館に買わせたことがありますけどねw
宮部作品も結構文庫と両方図書館にはあるんですが、
新しい本はすぐに文庫ではなかなか入ってこないからなぁ……
うん。長いから忘れちゃうね。
後日談は、まあたいしたことない話でした。
図書館は、前は、学術書とかはしょうがないので図書館で見てましたけど、結局コピーとかとるので、本買えるぐらいのお金はかかっちゃってましたねーw
小説とかについては、基本的に図書館で借りることはないです。今はだいたいネットで買えるし。
問題は、本が増えすぎるということですね。
天井までの本棚が、6畳部屋の壁4面相当で、あと、押入れにもぎゅうぎゅうなのです。
来月引っ越しがあるので、気が重いですw
でもまあ、1×4とかで棚をたくさん作ろうと思うので、本の収納はちょっと改善されるかな♪