Month: March 2018

「島課長耕作」式の表記について(最終回)

官職を持っている(自称している)人の個人名の書き方について、「苗字+官職+名前」という表記、つまり、

「島課長耕作」とか「羽柴筑前守秀吉」とかいう表記って、なんか変じゃないですか?

というシリーズの最終回です。
「センゴク」を読んで官職の表記について考えたこと。後編の1
「センゴク」を読んで官職の表記について考えたこと。後編の2

前回は、大鏡とか栄花物語での表記と、「古文書時代鑑」という本から鎌倉~江戸時代までの文書での表記についてみてみましたが、「苗字+官職+名前」という表記は一般的ではありませんでした。ただ、「古文書時代鑑」に載っている文書は、歴史上の有名人の筆跡をみるという目的で集められているものなので、名乗りについては、自分で書いたものであるか、手紙などで相手に呼びかける体のものが多く、だいたい予想はしていましたが、やっぱり「島課長耕作」式の表記はありませんでした。

「島課長耕作」式の表記は、軍記物的なジャンルでは、平家物語や吾妻鏡あたりから見られ、太平記あたりになるとたくさん見られるようになるのですが、その元ネタは、武士が使っていた苗字+排行名(「太郎」「次郎」「三郎」など、生まれた順に基づく通称)という表記法にあるんじゃないかと思います。 (more…)

「センゴク」シリーズでの変な言葉遣い

こんにちは。前に読んでるといってた漫画の「センゴク」ですけど、ようやく第二部まで読み終わりました。
「苗字+官職+名」については、結論としてもう一回書く予定なんですけど、今回はそれとは別の話で、読んでてちょっと辛かった変な言葉遣いについて書こうと思います。 (more…)

君の名は。についての煉獄的解釈

君の名は。について前に書いたのに対して、今頃になってりんちゃんがコメントをくれたんですが、返事コメを書いてるときに、ちょっと思いついたことがあったので書いてみます。(ビデオに録画してたのをもう消してしまったので、細かいところはあいまいです。)
君の名は。について皆さんどんなこと書いてるかって、前の記事を書いたときに、ちょっとは検索して見てみたんですが、あんまり面白いものがなかったので、そんなにたくさんは見ていません。というわけで、もしかしたらもう誰かに言われてる話かもしれないですけど。 (more…)