社交界のプリンス(自称)が、少年の全裸写真をスマホで撮ったとか、少年に暴力をふるったとかで逮捕されたそうで、わたしは最初聞いたとき、「社交界」という名前の飲み屋かなんかを経営してる人で、役職が「代表取締役プリンス」とかなのかと思ったんですが、そういうわけでもないらしく、職場で、本人のものと思われるHPがおもしろいと話題になってたので見てみたんですが、たしかにかなり面白かったです。
逮捕のニュース本人のものと思われるHP。 ⇦ 両方消えちゃいましたね。スクショ取っといてよかったw

このHPでは、自分の活動紹介のところに「ご活動」とか書いてあったり、プロフィールにH.E. Sir Yu-ki H. Kumagai K.C.R.とか書いてあって、His Excellencyって敬称だから、もしかして体裁としては本人じゃなくて誰か別の人が書いてるってことになってるのかもしれないけど、まあたぶん本人が書いてるんだよね。自分で書くならmy Excellencyだろうとは思いますが。

ちなみに、Sirって言ってるからナイトなんでしょうが、K.C.Rってなんのことだかわからず、ちょっと調べたところ、どうもフィリピンの英雄ホセ・リサールを顕彰するリサール騎士団という団体が出してる称号(ナイト)みたいです。Knight Commander of RizalでKCRですね。たぶんこれのことを言ってるんだと思う。もっとも、彼がほんとにリサール騎士団からナイトをもらったのかどうかはわかりません。

リサール騎士団というのは、フィリピンの愛国的な団体らしく、ロータリークラブとかライオンズクラブみたいなもののようで、そこまで怪しいものではないと思いますが、よくわかりません。日本人では、かの池田大作先生が、リサール騎士団からナイトの称号をもらっておられるようです。あと、スペインの前国王ファン・カルロス一世とか。こちらは元宗主国だからでしょうけど、リサールはスペインに銃殺されているわけなので、なにやらちょっと変な感じですが、今は仲直りしてるってことなんでしょうか。よくわかりません。

それはさておき、プリンスですけど、彼自身による「ご挨拶」。HP消えちゃうかもしれないので、画像とりました。

なかなかきびしいですね。だれか添削してあげる人はいなかったんでしょうか。
わたしの知り合いの零細企業の社長(80)が書く文とよく似てると思いました。たまに添削をたのまれたりするんですが、普段ぜんぜん文を書かない人が、無理してカッコつけて書こうとすると、こういう回りくどくて重複の多い文を書くような気がします。
「私くし」については、昔(明治時代とか)はそういう書き方もないわけじゃなかったですけど、現代では、振り仮名が振れないならひらがなで書くしかないと思います。
あと、日本語での表記が「熊谷裕樹卿」となってますが、サーは卿じゃありません。卿はふつう、ロード(候・伯・子・男)の訳で、ロードの場合は名前(姓)にはつきません。爵位名につきます。今のウィンチェスター侯爵の名前はナイジェル・ポーレットですが、ポーレット卿ではなく、当たり前ですが、ウィンチェスター卿といわなければいけません。というわけで、熊谷裕樹卿という書き方は、いろいろ間違ってます。(とはいえ、称号としてのSirにはぴったりの訳語がないので、卿を使う場合もないわけではないようですね。今調べたら、辞書にものってるようでした。わたしは変だと思いますけど。)
ちなみに、日本だったら名前に卿はありですが、三位・または参議以上、大納言までの人に対する敬称ですから、彼には使えません。てか、今の日本では、生きてる人に位は出ません(戦前に叙されていた人は除く)。勲章とかもらってる人が死ぬと出ます。
さらにちなみに、日本では卿の上(つまり大臣)は公で、あわせて公卿になります。(省の長官も卿ですが、これは役職名ですから別です。中務・式部・治部・民部・兵部・刑部・大蔵・宮内の八省なので、八省卿といいます。相当表では正四位ですが、公卿が兼ねることも多いです。)

主な活動(以下プロフィールより。)

最初の文。主な活動って言ってんだから、「文化・伝統の保護発展ならびに国際親善」ってだけ書けばいいのに、「を中心とし活動」とか付けちゃうところも、わたしの知ってる社長さんとよく似てます。くどいんですよね。etc.ってつけたい気分なんですかね。
「徹し」というのはたぶん「通し」のことです。
2文目。「王侯貴族文化の研究や伝統継承し、世の中に再発信することをライフワークとしている」は、かなりきびしいですが、「や伝統継承し」がいらない。「~を研究し、世の中に」としたらいいと思います。「再発信」は「発信」でいいです。
4文目。主な活動が「称号及び爵位を受爵」っておかしい。称号を誰かに与えるのは活動だけど、もらうのは活動じゃないだろ。お金を積んでもらうとかそういうことかしらん。

考え

文化活動

めんどくさいのでつっこみはなし。
「再発信」とか「ライフスタイル」とか「ライフワーク」とかいう言葉が好きらしい。あと「徹し」も。

辞典

「辞典」ってなんだ?
ひとつの文に、「社交界」って言葉が3回も出てくるのはSEO対策ですかね?
「世界の王子100人の1人に、社交界では知る人ぞ知る正統派プリンスとして選ばれている」。いろいろわからない。自分で「知る人ぞ知る」とかいうのって、ギャグなんでしょうか。
ただのプリンスなら別にいいですけど、正統派プリンスというなら、やっぱりkingの子じゃないとだめなんじゃないだろうか?
ちなみに、知る人ぞ知る正統派和製プリンスといえば岡村靖幸を措いて他にはいない。

プリンスの書いたコラム。
ジャボ 【Jabot】

単なる誤字というか()の付け忘れですけど、「フランス語というもので、レースで出来ています。」のところで苦しくて息が止まりました。ツボでした。

華麗なる世界へ・・・

「見る、聞く、かぐ、味わう、触れる[私の日々行動する五感はすべてを美しくあり、文化的で上質な物を 空間インテリア、自然、香り、美食、気高い音]五感美を意識する。」
この文が秀逸だと思いました。苦しい。ほとんどgoogle翻訳の域に達してますね。

さて、少しばかりまじめな話をすると、この人、なんでそんなに貴族が好きなのか、実際のところは、単にそれっぽいコスプレが好きってだけなんでしょうが、部屋の中心に花を飾れば華麗な生活になって、華麗な生活すなわち貴族で、みなさん貴族的な生活をしましょうってことらしいんですけど、実際に力を持ってる貴族というのは、他の人を搾取してるから力があるというか、力があるから搾取できて、搾取した富で華麗な生活をすることができるわけで、みんなが部屋に花を飾って貴族になったつもりになっても、あんまり意味はないんじゃないかなと思います。(誰から搾取するの?って話)
昔のヨーロッパの「貴族」に相当するものになりたいんだったら、今だったら、資本家になってお金持ちになるのがいちばん近いと思います。だからまあ、彼も芸能プロダクション経営とかしてたんでしょうけど。

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