いまさらですが、先週テレビでやった「おおかみこどもの雨と雪」を見ました。
で、いろいろ言いたいことがあるんですが、「おおかみこども」スゲー感動した!とか、「おおかみこども」の良さが分かんないなんて人間じゃねーとか思われる方は、もしかしたら気分を悪くされるかもしれませんので、もし読まれるのでしたらご注意ください。

なんかもやもやするーと思った方は、もしかすると、ちょっとすっきりできるかもしれません。もちろん、保障の限りではありませんが。
あと、当然ながらネタバレしてますのでお気を付け下さい。てか、あらすじとかまとめてないので、映画を見てない方にはわかんないと思います。

●おおかみおとこと花の話
「おおかみこどもの雨と雪」の、何がいちばんファンタジー(もちろん、悪い意味でね。皮肉です。)かっていうと、花が最初におおかみおとこを好きになって逆ナンしたっていうエピソードですね。

そもそも、花がなんでおおかみおとこを好きになったかというと、「まわりの学生とは全然違う」と感じたかららしいですけど、そりゃ教養課程の哲学の授業で25過ぎの奴がいたら、普通はTAかなんかかと思うけど、そんなのがまじにノート取ってたら浮くに決まってんじゃんって話じゃなくて、たぶん、彼がおおかみおとこだったから、人とは違う何かを発してて、それに惹かれたんだって、遠まわしに言ってるんだと思う。

花が「子供に無償の愛を注ぐ理想の母」だとかなんとか、監督が自分で言ってるのか、見た人がそう思ったのか、広告代理店が言ってるのか、テレビ局が言ってるのか、そのへんはよく知りませんが、とにかくそういうことになってるっぽいですが、花は子供のことを愛してるようには見えませんでした。おおかみおとこに無償の愛を注いでるだけです。てか、なんで好きなのかっていう理由もわからないので、盲目的な愛だと思うんだけど、それだと言葉が悪いので、きっと「運命的」な愛なんでしょう。はいはい。

おおかみおとこは、「君にいわなくちゃいけないことがある」とか、すげー思わせぶりなこと言って呼び出しといて、「目つぶって」とか言って、そりゃもう、ベタだけど光り物わたそうとしてんだなって思うじゃないですか!で、そのままプロポーズか?しょうがないなあもう。照れ屋なんだから。でもまあ、せっかくだから付き合ってやるかと思って、もういい?って目を開けたら、おおかみに変身して、「どう、怖い?」って、てめーふざけんな!って話ですよ。

おおかみに変身して見せて、なんて言ってほしいのかな?
プレゼントは僕ってか?「きゃー」とか言ってほしいのか?
スレててゴメンね。「きゃー」はちょっとできないな。
ケモナーじゃないから、おおかみだっていわれてもぜんぜんうれしくないし。
ご期待に添えなくて、ほんとゴメン。もう帰っていい?ってなりますね。わたしなら。

メンヘラの子がリスカの跡みせてきて、なに言ってほしいんだよ?ってのと同じですね。はいはい、かわいそうだね、って、そう言ったらたぶん泣くし、死んでやるとか言うし、死ねるもんなら死ねばって思いますが、そんなこと言って、あてつけに死なれたら迷惑だし、って、女の子にされてもすげーうっとおしいのに、大の男にそんなん見せられたら、ほんと、しらねーよって思う。

あるいは、目を開けたらパンツ脱いでて、「おれ、包茎なんだ。」っていわれて、どうリアクションしていいかわかんないですよっ!て感じ?
この場合は、さすがに「きゃー」はちょっと無理かもしれないけど、「うわー」とか「ひゃー」とか言っちゃうかもしれません。
(これは、本人にはすごい重要なことなんだろうなってことは、なんとなくわかるんですけど、わたしには全然関係ない!てか、ホント、悪いんだけど、まったく全然関係ない!っていうたとえです。ちょっとむずかしかったか?)

とにかく、おおかみだから何?はっきり言ってよって話ですね。

流れからいって、「女が告白されるシーン」だったはずで(そうだよね?わたしが自意識過剰だった?)、てっきり自分が主役と思ってたんですが、どうやら男の方も、俺が主役って思ってたらしく、わたしは主役の座から引きずりおろされちゃって、せっかく小芝居に付きあってやってたのに恥かかせやがってと、かなりむかついてます。

というわけで、わたしだったらまず、むかついてんだぞって顔をしながら、もしくは、堺雅人風の結構むかついたときのうすら笑いをうかべながら、「へー、おおかみおとこだったんだー(棒)。おどろきー(棒)。で、話ってなに?」って聞いちゃいますね。

おおかみおとこがなんて言うか知りませんが、ここで、「あっ、しまった」って気づいて、「おれ、こんなおおかみで、子供が生まれたらおおかみこどもになっちゃうけど、それでも、結婚を前提にお付き合いしてくれませんか?貯金はまだこれだけしかないけど、がんばって40までには家を建てます!」とか、はっきり言うようだったら、まだ見込みがあるってもんですけど(主役にも返り咲けるしね)、たぶんそういう風にはならなくて、おおかみおとこは主役の座を下りる気なんかぜんぜんなくて(泣きたい・・・)、もお、「おおかみおとこだぞ」っていう本性を明かしたら、「そんな重大な秘密をわたしに打ち明けてくれるくらいわたしを愛してるのね!」とか、「まあ!今までさぞ生きづらかったんでしょうね。でも大丈夫!あなたにはわたしがいるわ!」みたいな持って回った考え方の、自己中なお花畑展開を期待してるのが見え見えで、てめーなに勝手に主役やってんだよって、もおほんと、そんなのに付き合うのってすげーめんどうだし、そもそもすげーこっちに失礼な話だから、まじやめてほしい!!

「おおかみおとこ」が問題なら問題でいいけど、いったいそれはどういう問題なんだよ!って話です。

あんたはおおかみか知んないけど、わたしはぜんぜんおおかみじゃないし、親戚にだっておおかみなんかいないし、それどころか、おおかみなんて今まで一回も会ったことないんだから、説明してくんなきゃわかるわけないじゃん。
それを、「おれ、おおかみなんだ。わかってくれよ。」みたいなのは、すごいむかつきます。いったい何様のつもりなんでしょう。

で、「わかるわけないじゃん」と言いながら、わたしはけっこう頭がいいので、なんとなくわかっちゃうわけで、つまり、先回りして言っちゃうと、おおかみおとこの妄想世界では、おおかみだってことは、なんかすごいスティグマティックなことで、要するにリスカの跡みたいなもんで、「他の奴とは違う俺」の象徴で、他の奴とは違うから、「だれにも分かってもらえない俺」ってことになってるんだろうし、もしくは「アウトローで野性的な俺」って意味にもなってるのかもしれないし、さらには「女にはおおかみのことはわからんだろうけど」って意味すら含まれてるのかもしれないけど、そういうのぜんぶ込みで、要するにわたしに、「大丈夫して~」って言ってるんだろうなーと思って、スゲーむかつきます。てか、鳥肌立ちます。
このマザコン野郎が!

「ひとりでヒーローやっちゃって、忘れてるモーション」ですよ。まったく。
(なんだったんだ7days.知ってる?さすがイマサですね。独りよがりな男のバカさかげん!!)

というわけで、わたしは、おおかみおとこだからって理由からじゃぜんぜんなくて、マザコン野郎だからという理由で、わたしを主役の座から引きずりおろして、勝手に自分が主役をやってるからという理由で、つまりは、世界の中心で「大丈夫して!」と叫んだ獣だという理由で、おおかみおとこを好きになったりはしません!そりゃもう絶対に!!

で、わたしがおおかみおとこに、「ごめん、やっぱあんたちょっと無理だわ」って言ったとすると(もちろん花ちゃんはそんながらっぱちな言い方はしないわけですが)、「やっぱりおおかみだから愛されないんだ。でもいいよ、君みたいな普通の人には重すぎたよね」なんて頓珍漢なことを、さすがに言いはしないでしょうけど、ぜったい腹の中で思ってそうで、こりゃまたすげーむかつくけど、勝手に勘違いしてろバカって話ですね。

おおかみのくせに女々しいやつだなと思います。いくらイケメンでも、女々しい奴は嫌いです。「言いたいことがある」っていって呼び出したんなら、「おおかみな僕を受け入れて」じゃなくて、「おおかみだけど、好きです。絶対幸せにするから結婚してください。」って言えよってことです。てか、みなまで言わせんなバカ。
(余談ですが、「世界の中心で愛をさけんだビースト」というのは、エリスンという人の小説なんですけど、これを庵野君がエヴァの題で使って、それをまた、元ネタも知らずに引用したバカが書いた小説が売れちゃったりして、そんなこんなで、「世界の中心」てゆう概念が、なんかもうぬるい中二病的概念になっちゃったのは、庵野君が悪かったと思います。とはいえ、エリスンの世界の中心もかなり中二病ではあるんだけどねw ボーリングフォーコロンバインみたいなやつを異星人が記念するって話。)
(またまた余談ですが、イザナキとイザナミが国産みをするときに、イザナキが先に「あなにやしえをとめを」って言わないといけなかったっていうのは、男尊女卑とかそんなんじゃなくて、女に先に言わせんなバカってことだと思います。)

というわけで、花にはまったく共感できないんですが、まあ、偉大な日本女性というのは、マザコン男を「大丈夫大丈夫」ってして、いい気にさせて、うまいこと操縦して、働かせないと一人前とはいえないわけで、それについてはホントすごいなって素直に思います。で、花もそういうスタンスだったっていうんなら、スゲー尊敬しますけど、花は花で、たぶんファザコンで、もおほんと、マザコンとファザコンがくっつくのって、気持ち悪いからやめてほしいです。ちょっと言い過ぎました。別にくっついてもいいんですけど、人目に付かないところでひっそりとくっついてほしいです。金曜のゴールデンタイムに全国放送でくっつくのはやめてほしいです。
もっともこれだって、作り手が、「しょーもないよねー」ってスタンスだったら、ぜんぜんおっけーなんですけど、そういうくっつきを、ロマンチック♪だとか、純愛!みたいなスタンスで提示されると、もお、反吐が出るぜっていうわけですね。で、つくり手がボケに徹しててぜんぜん突っ込んでくれないから、見てるわたしたちが突っ込まなきゃいけないっていう。それってすごいめんどくさいことだけど、見ちゃった以上は「異議あり!」って言っとかないと肯定したことになっちゃうから(裁判ではそういうことになってる)、「裁判長!異議あり!」って言って、「異議を認めます」ってやってもらわないとストレスがたまるんで、ちょっと勘弁してほしいです。最近は双方向データ放送だから、突っ込みボタンでもつくって、気軽に「異議あり!」ってできたらいいなって思います。

まとめると、花が異様に積極的におおかみおとこにアプローチするという、いちばん最初のエピソードは、まじめに受け取って、花を実在する人物として考えるなら、「気持ち悪い話」ってことになるし、まじめに受け取らずに花を作りものの人物だとして考えるなら、作り手が「そうだったら素敵だなと思った妄想」でしかないと思います。で、その妄想の内容は、愛される側のおおかみおとこに自己同一できる人にとっては素敵な話になるのかもしれませんが、上に書いたように、わたしにとっては、こんな男ごめんだなという感想しか出てこないわけで、要するに、甘えん坊男か、心の広い偉大なる日本女性じゃないと共感できない話ってことだと思います。(ま、それはちょっと言い過ぎかな。所詮ひとごとだし、甘えてくるイケメンを見るだけなら、別にいいって人も多いかと。)

せめて、おおかみおとこの方が花に惚れて、おおかみアタックで口説き落とすくらいの勢いを見せてくれたらよかったんだけど、おおかみのくせに全然マグロで、僕を愛してくれる人が現れるのをずーうーっと待ってーいーるーって、どんだけ乙女なの?って思いますね。(岡村ちゃんの「イケナイコトカイ」です。ナイナイじゃないですよ。岡村ちゃんは童貞乙女男子ですけど、かわいいし、自分がなさけないって自覚してるので許します。といっても、「キモかわいい」ってやつですけどね。おおかみおとこは、なんだかんだ言って、「おれってかっこいいし」って無自覚に思ってるっぽいところがムカつきます。キャラとして面白くないし。)

もっとも、花が、そういう「イケメン乙女おおかみ男子」を好きな女子で、いいように調教して、それなりに男らしくして、外ではバリバリ働かせて、おおかみだから強面になって、借金の取り立てなんかもしちゃうんだけど、家では「大丈夫」ってしてあげるんだ♪うふ、かわいい♡。みたいな話だったら、花のキャラがリアルになるので、キモチワルイ話じゃなくなるんですが、いや、やっぱりキモチワルイけど、ただキモチワルイだけじゃなくて、キモ面白い話ぐらいにはなるかなって感じですが、花は、おおかみおとこと結ばれるまでだけの期間限定で積極的なだけで、あとはまったく主体性を発揮しません。
というわけで、花がおおかみおとこに積極的だったのは、キャラクターとしての自発的行動ではなくて、監督の都合というか妄想で、その時だけ積極的にさせられてただけなんだろうなと思ってしまうわけです。(おおかみおとこの死もそうですね。)

で、そういう予定調和的妄想世界っていうのは、やっぱりかなりキモチワルイですね。

つづく。

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